“Brandism独自のマーケティング手法”とはー『ブランド・パワー』発売記念 Brandism木村元インタビュー vol.3

Brandism(ブランドイズム)代表である木村元(つかさ)が、著書『ブランド・パワー』を発売しました。(Amazonでのご購入はこちら

インタビューを記念した本記事では、Brandism独自のマーケティング手法について取材いたしました。

ブランドマーケティングの手法を用いてクライアントを支援するBrandismが、リサーチや戦略構築を通じて、「ブランド・パワー」、ひいては売上と利益をどのように追い求めているのか、理解を深めていただければ幸いです。

『ブランド・パワー』発売記念として、第1弾では木村のこれまでのキャリアについて、第2弾では成果を生み出すマーケターについて、Brandism代表木村にインタビューを行っています。あわせてご覧ください。

 

Brandism(ブランドイズム)とは

ーBrandismでは日々どのような業務を行っていますか。
Brandismは、ブランドマーケティングの考え方を用いたマーケティング支援会社です。売上と利益の拡大にコミットすることを前提に、マーケティング戦略の構築支援から実行までを並走させていただいています。

外資系消費財メーカーの第一線でメガブランドを牽引してきたマーケターを中心に構成されており、日々クライアントの皆さまと共にマーケティング業務を行っております。

ご相談いただく内容は、中長期に向けたマーケティング戦略構築やマスに向けたマーケティング戦略、新規事業の構築、近年主流になったWebマーケティングで急速に成長されたブランド様の「How依存のマーケティング」からの脱却など、多岐に渡ります。

ご相談いただいた内容に対して、事業成長の根幹をなす上流戦略に立ち返り、「誰に」「何を」といったことから設計し、マーケティング施策に落とし込む業務をしています。

教科書的なマーケティング戦略についてアドバイスをする立場ではなく、調査の実行、プロモーション施策への落とし込み、KPIの設計を元にPDCAをサイクルを回していく工程など、クライアント様と並走をしながら実際の売上を作っていく実行サポートも行える点が特徴です。

 

ーこれまでどのようなプロジェクトを行ってきましたか。
これまでご支援させていただいたクライアント様のカテゴリは、大きく3つに分かれます。

1つ目は「日系の大手企業様」です。
大手企業様は既に強いプロダクトやサービスを持っており、力強い組織を構築されている場合が多いです。

一方で、マーケティングやブランディングという観点では多くの機会を有しています。実際に、グローバルのブランドの強さを毎年紹介しているKANTAR社の世界のブランドランキングトップ100に入る日系企業は例年2,3社です。(参照:https://www.kantar.com/campaigns/brandz/global

これまでの支援を通じて、Brandismが持つマーケティングの知見やノウハウは、既に大きなブランドをお持ちの大手企業の皆さまのお力になることができると実感しています。

過去には、日本航空様のJALモールのリブランディングをご支援させていただきました。日本航空様が既に有する独自性やブランドの強さを体感し、ブランドイメージを最大化するとともに、保有する強みをデジタル上でどのように体現していくかの戦略構築を伴走しました。

プランニングを行う中で、世の中に多くあるECモールの中で「いかに差別化されたブランドイメージやコミュニケーションを作るか」が課題でした。

日本航空様が持つ、卓越したサービスレベルの飛行機の強みを活かしたコミュニケーションを設計し、他のECモールとは異なる事業イメージを確立していく必要がありました。

また、ECモールに閉ざすことなく百貨店でのポップアップを展開するなど、お客様との接点を積極的に持ち、360度のプロモーションを継続されています。

お客様視点に立ち、お客様との接点を直接的に増やしていくアプローチは、高品質なサービスを提供し続ける日本航空様ならではの強みだと感じています。

2つ目は「ブランドマーケティングを既に実践している外資系企業様」です。
カテゴリーを問わず、強いブランドを持つ外資系企業のパートナーとして、成果の最大化に貢献しています。

マーケティングのノウハウやフレームワークは常にアップデートされていくべきものであり、業界最先端の企業様とBrandismが相互に影響を及ぼし合いながら成果に向けて伴走しています。

例えば、STP分析の実施やブランドパワー(ブランド価値)のトラッキングを高い水準で行っている企業様が事業戦略に活かす方法や中長期の戦略実行を行うパートナーとして、お声がけいただくことがあります。

3つ目は「スタートアップ・ベンチャー企業様」です。
大型調達をしたり、売上数億円規模を持つスタートアップ・ベンチャー企業の皆さまと、さらなるスケールに向けて、事業の輪郭を色濃くしていく仕事を行ってきました。

サービスを誰に届けたいのか、何を強調して伝えるかといった上流の戦略を構築し、有限なリソースの活用方法を議論させていただくことが多いです。

事業計画と連動したマーケティング全般のプランニングを行い、CMOのような役割として経営者の方と伴走する形で支援を行っています。

ecforceを有する株式会社SUPER STUDIO様をご支援させていただいた際には、資金調達後のマーケティング戦略構築のサポートやecforceのブランドメッセージの構築を行いました。

一見コストに感じてしまいがちなECカートシステムを、守りの姿勢から攻めの姿勢に価値転換していくことを意識したコミュニケーションを構築されています。

TVCMやタクシー広告のクリエイティブの中で「良いプロダクトもECプラットフォームに穴が空いていると売れなくなってしまう」という挑戦的なインサイトを継続的に伝えてきています。

こうした取り組みを通じて、今ではECカートシステム業界で非常に強いブランドイメージを確立されています。

 

ークライアント様からご相談いただく背景にはどのような状況があるのでしょうか。
最近では、「ブランドマネジメント制を取りたい」「マーケティング視点で事業開発を行いたい」といった要望を持つ大手企業様からお声をいただくこともあります。組織変革に関わるような課題もございます。

また、新規事業や事業開発に取り組む際、強いインサイトを捉えたり最終的な実行を見据えて、初期段階からブランドマーケティングの考え方を導入したいといったお話もお聞きします。

Brandism独自のマーケティング

ーBrandism独自のマーケティング手法を教えてください。
1つ目は「ブランド・パワーを通じたマーケティング支援」です。

ブランドパワーとは、顧客の中にあるブランドへの価値を指します。
Brandismでは、独自メソッドとして、ブランドに対する“顧客認識の状態”を数値化し、他社と比較できる状態にしたスコア「ブランド・パワー」の導入・支援をしております。

ブランド・パワーは、顧客による購買をゴールとしたKPIです。”顧客から見たブランドの価値”向上に向け、短期・長期それぞれの成長の足がかりとなります。

現状強いブランドを築くことができていない企業様も、中長期の成長のためにブランドの構築が重要な役割を果たすと考えています。

ふわっとしがちなブランディングをトラッキングできるよう数値化し、売上・利益の向上に向けた支援を行っています。

2つ目は、STP分析を起点とした「上流戦略の構築」です。
STP分析は、ターゲットの解像度を高めて独自のポジショニングを構築するプロセスです。

Brandismでは、STP分析を6-10ステップに分解して行います。STP分析を通じてサービスのターゲットが明確になり、コンセプトを明確にすることが出来ます。

コンセプトを伝えるためのマスプロモーション設計やアクティベーション(ブランドが実施する施策)など、実行部分も並行して取り組む場合もあります。(エージェンシーにおけるマス広告やアクティベーション開発のストラテジックプランナー(目的から逆算し、施策の戦略を検討する役割)機能としての代替も行います。)

STP分析のように体系化しづらいノウハウをステップ化してお伝えすることで、同じ課題に直面した際にクライアント様ご自身で対処することができると考えます。

長期的な目線で持続的な成長を生めるよう、再現性のある手法をお伝えするよう意識しています。

3つ目は、顧客インサイト開発に向けた「戦略的リサーチ」です。

顧客が言語化できない潜在ニーズを発掘し、売上と利益向上に向けた新たなアイデアを提案します。

真のインサイトとは、顧客が言うことのできる顕在ニーズを表層的に探るのではなく、顧客自身も気づいていない「言語化されない」潜在的な二―ズです。

言われたら「ハッとする」潜在的なニーズを捉えられるかが質的調査の価値を決定します。

成果を最大化する意味で、戦略的リサーチの重要性は言うまでもありません。

私たちBrandismが持つ戦略的リサーチのノウハウは独自のメソッドで構築されています。調査から紐解かれるヒントを元に、「これまでに見つけられなかった」もしくは「言語化できなかった」インサイトの発掘をサポートし、ブランドの持続的成長に貢献します。

中長期のマーケティング戦略を踏まえ、目的を捉えた戦略への示唆・アイデア創出に繋げられる点が私たちの強みです。

インサイトについての記事はこちら

 

ーBrandismの強みはなんですか
1つ目は、Brandismはコンサルタントではなく事業会社の人間で構成された会社という点です。

私たちが提供する戦略は、根本的な課題解決に向けた実現可能なアイデアを生み出すことを前提としています。

事業会社出身だからこそ、机上の空論に閉ざすことなく、一方で客観的な考察に留まることのない提案ができると確信しています。

実行を伴う支援を行うため、結果に向けてやり切るまで伴走していくことを前提にしています。

2つ目は、最新のマーケティングを踏まえたアプローチを採用できる点です。

マーケティングにおける戦略的な思考は、P&Gやユニリーバといった会社や、アカデミックの分野で発展した「王道」とされる考え方があります。

マーケティングに限らず、経営、営業、ファイナンスといった多くの領域で「王道」とされるアプローチが存在し、成果を出すために正しいことを正しくやることは大切です。

しかし、私自身ユニリーバにいたからこそ感じますが、王道的なアプローチは変わらなくて良いというものではありません。

世の中の変化が大きくなる中で、昔から語られるブランド起点のアプローチをそのままぶつけるだけでは、売上と利益に繋げるのが難しい局面も多くあります。

そうした中で、Brandismは平均年齢33歳の事業会社出身者で構成されており、これまで王道とされてきたアプローチと、デジタル領域をはじめとする最新のマーケティングを用いたアプローチをハイブリットに提案できる会社だと考えています。

普遍とされてきたマーケティングの考え方を不変で終わらせない点が自分達の強みです。

3つ目は、幅広いカテゴリの、難易度の高い挑戦に挑むことができる点です。

ご相談をいただくカテゴリは消費財も多いですが、ITやBtoBのように、ブランドが不要だと考える方もいる領域のお話をいただく機会も増えました。

マーケティングの考え方は、あらゆる業界・業種に必要であり、経営と表裏一体なものです。私たちの独自メソッドはあらゆる業界においても応用可能な点も特徴です。

私たちBrandismメンバーはクライアントとともに常に成長していくことに貪欲な集団です。戦略設計、デジタルマーケティング、リサーチ、小売ビジネス、インサイト発掘など、様々な強みを持ったメンバー全員が、幅広い領域でサービスの価値を広めることに意識を向けています。

最後に

ー今後Brandismでどんなことをしていきたいですか。
たくさんありますが、Brandismとして目指す姿は大きく2つあります。

1つ目は「マーケティングの考え方がまだ十分に注入されていない国内の大手企業を伸ばしていくこと」です。

自分自身ヨーロッパに行っていて感じましたが、日本はマーケティングやブランディングにおいて残念ながら後進国です。反対にいうと、これは大きな機会とも言えます。

卓越したプロダクトやサービスを有している国でありながら、マーケティングを強化していない状況であり、正しいマーケティングやブランディングを行うことで更にビジネスを伸ばせる可能性が高いと言えます。

まだまだ広まっていないブランドマーケティングの力を通じて、素晴らしいサービスやプロダクトに持続的な成長をもたらしたいです。

こうした取り組みの先には、日本国内でのプレゼンスだけでなく海外でも勝てる事業を生み出し、大きなインパクトを残すことができると考えています。

2つ目は「マーケティングのリーディングカンパニーであり続けること」です。

既に大きく、強いブランドを持っている会社は多くあります。マーケティングの考え方が既に浸透している会社が、さらに成長する足がかりとしてBrandismを頼ってもらいたいと考えています。

例えば外資系のブランドのように、既に優れたブランドを持ち、マーケティングに優れている会社に「Brandism(ブランドイズム)とブランド価値を高めたい」と考えて頂けるように、日本で最先端のマーケティングを提供するリーディングカンパニーでありたいと考えています。

ーありがとうございます。

お読みいただきありがとうございました。
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