宣伝、という言葉を聞いて多くの人が思いつくものに広告があるでしょう。
一言に広告、とは言っても様々なメディアが存在しており、企業側は広告の中身はもちろん、どの媒体を選択するかやいつ掲載するかなども重要視して検討する必要があります。
近年では、雑誌、テレビ、新聞などマス広告に加え、動画広告やインターネット広告などの新たな手法も出現しているため、どこに掲載すべきか、どのような手法があるか迷っている担当者もいるのではないでしょうか。
この記事では、現在の日本において主要とされるメディアをまとめています。
昨今の経営者はデジタルリテラシーは非常に高く、デジタル広告に走ってしまうこともありますが、
デジタル広告以上に効率のよい広告媒体があることも多いので、まずは基本の主要メディアをおさえましょう。
雑誌(出版社)
雑誌広告はすでに流通している情報誌のスペースを使った広告手法です。
多くの情報誌が様々な形態で広告出稿を受け付けているため、費用やアピールしたい情報を考慮して最適な掲載方法・掲載箇所を選定する必要があります。
以下に大手の出版社と、それぞれが発行している雑誌をまとめました。
各社に強みの分野があるため、自社製品のターゲットにマッチする層が購読している雑誌を見極めることが重要です。
・講談社
特徴:書籍、雑誌などの総合出版社。デジタル書籍に注力。
主な発行雑誌
週刊現代:いま知りたい、読みたいジャンルをカバーし、面白く読み応えある記事を展開する週刊誌。
FRIDAY:真実をえぐる写真の迫力と、鋭い視点で書かれた記事。
ViVi:おしゃれが大好きでトレンドに敏感な女の子のためのライフスタイル情報誌。
大人の週末:「食を愛する」「街を愛する」「旅に恋する」を三本柱に、暮らしと遊びを楽しむ大人のための情報誌。
VoCE:化粧品情報を中心に、ビューティージャーナリズムから生き方まで、全てのテーマをエンターテインメントの視点でとらえた女性誌。
げんき:1~3歳児とその保護者を対象にした育児絵本雑誌。
・集英社
特徴:雑誌、書籍、コミックなどの総合出版社
主な発行雑誌
MEN’S NON-NO:日常のファッションが更に楽しくなると同時に、いつまでも忘れないファッションの憧れを追求した男性ファッションのいわば教科書。
Seventeen:ティーンのための情報誌として、女子中高生の生活に密着した記事を中心に編集。
non-no:ファッション、ビューティーを中心に、若い女性のライフスタイルに欠かせない情報を、オールジャンルで取り上げる、エンターテインメントマガジン。
週刊少年ジャンプ:人気漫画家による連載物や、新進漫画家の作品を主体とした少年向けコミック誌。
MAQUIA:25~35歳の働く女性に向けたハイクォリティビューティ誌。
・KADOKAWA
特徴:出版のほか、動画サイト運営、ゲーム事業などを展開。所沢サクラタウンなど新しい事業にも力を入れている。オタクを中心に強みを発揮しつつ、様々な出版物を発行。
主な発行雑誌
レタスクラブ:主婦や女性のための生活情報誌。
毎日が発見:60代女性をメインターゲットにした直販月刊誌。
月刊ザ・テレビジョン:全国主要都市をカバーするテレビ情報誌。
・小学館
特徴:出版社集団「一ツ橋グループ」の中核企業。
主な発行雑誌
女性セブン:時事、ファッション、実用記事を中心とし、楽しくためになる内容の女性総合週刊誌。
CanCan:20代のOLを中心としたファッション&ライフスタイル総合誌。
Oggi:働く女性たちの自己をより高め、美意識のあるカッコよさを提案するファッション・ライフスタイル誌。
美的:「美しくなりたい」という女性たちのみずみずしい欲望を追及するビューティーマガジン。
小学一年生:児童が熱中する流行のアイテムから家庭学習のサポート企画まで親子で読める学習雑誌
幼稚園:3・4・5・6歳の好奇心を満足させる元気いっぱいの総合エンタメ&学習マガジン。
和樂:質の高い女性読者。知的でアクティブな50代が読者の中心。
・主婦と生活社
主な発行雑誌
週刊女性:芸能スクープや占いなど女性向けの記事を掲載。
ar:食べ頃ジューシーな美味しい女の子=“雌ガール”を応援・育成する、トータルコーディネート誌。
JUNON:ビジュアルを重視した、若い女の子のためのインタビュー情報誌。
NHKためしてガッテン:NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」が公認する生活情報誌。
・マガジンハウス
主な発行雑誌
POPEYE:現代のシティボーイをコンセプトにファッション、ライフスタイル、カルチャーをとことん追求する。
Tarzan:「快適なんて簡単だ」をテーマに、健康的かつ行動的な30代に贈るライフマガジン。
クロワッサン:年齢に縛られない‶いい大人になる″ことを指向する女性のための雑誌。
・ゼンリン
特徴:地図情報でトップ。カーナビ向けなどの配信も強い。
主な発行雑誌:美しい日本の歩きたくなるみち500選マップガイド
・文藝春秋
特徴:雑誌を中心に、単行本、文庫、新書などを出版
主な発行雑誌:週刊文春
新聞
・朝日新聞
特徴:幅広い世代・職種の人々に読まれている。新聞発行部数業界2位。ニュースサイト運営に注力。
売上高 3,536億円。
・読売新聞
特徴:新聞発行部数業界1位。折込チラシが入る量も多い。購読者の年齢層・職種などが幅広い。新聞は全国3本社制。プロ野球球団など基幹六社も運営。
売上高 5,818億円
・毎日新聞
特徴:文字が大きいことで高齢者に好まれる傾向がある。関東より関西の方が購読者が多いとされる。一般紙、スポーツ紙、印刷、映画会社の計5社を統括。
売上高 1,778億円
・産経新聞
特徴:商工サービス業に需要が多い。関西で一般社員の割合が比較的他の新聞よりも高い。一般紙のほか、スポーツ紙、夕刊紙、産業紙も発行。売上高 1,055億円
・日本経済新聞
特徴:経済紙のため、株価など経済や産業関連の記事が多く、事務職や管理職に好まれる傾向にある。高年収層の購読者が多い/専業主婦世帯の購読が多い。新聞発行のほか、出版なども展開。有料電子版に注力。年収1000万円を超える高所得者が多いとされている。
売上高 3,568億円
テレビ
・フジ・メディア・HD
民放キー局のほか、音楽、通販、不動産などを展開
映画事業において好調だったほか、音楽部門でのヒット等で増益となるなど、グループが目指す多彩なコンテンツが、収益の拡大に向けて強みを発揮している。
観光分野にも進出する計画で、北海道エリアのインバウンドや台湾といった地域でのリゾート開発に活路を見出している。動画配信の導入(2005年)、ゲーム開発(2008年)、テレビ放送したアニメや報道、娯楽番組の一部をYouTubeで無料配信する(2012年)など、他局にはない挑戦心も特徴的。
人気番組:めざましテレビ、ネプリーグ。FNSドラマ対抗 お宝映像アワード、アナマガ、痛快TVスカッとジャパン
・日本テレビホールディングス
民放キー局のほか、動画配信、スポーツジムも運営
テレビ局として長い歴史を誇っており、各部門でそれぞれバランス良く多くの人気番組を抱えている。キユーピー3分クッキングや笑点、火曜サスペンス劇場など、長く愛される番組を放送しており、2018年9月に58カ月連続で月間視聴率三冠を達成し、在京民放テレビ局の歴代最長記録を樹立。さらに、2019年の全テレビ局における年間視聴率ランキングでは6年連続三冠を獲得し、日本のテレビ局を代表する存在。
2014年にインターネット動画配信サービス会社「Hulu」の日本事業を買収し、SVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)事業に本格的に参入した。また、自社の動画配信サービス「テレビバ」を、YouTubeやGYAO!といった外部サイトにも開設して視聴可能にするなど、新しいアプローチにも積極的に取り組んでいる。
人気番組:キューピー3分クッキング、スッキリ、ヒルナンデス、ZIP!、金曜ロードショー、news zero
・TBSホールディングス
民放キー局のほか、不動産、小売業も展開
系列のテレビ局が全国に25カ所以上あり、地域のニュースを報道するためのネットワークが強く、報道のTBSと呼ばれることもある。また、日本国内だけでなく、海外にも事業所を設置したり、海外のテレビ局と連携したりすることで、グローバルにテレビ放送事業を展開している。
さらに、テレビ放送だけでなく、配信や映像・文化事業との連携によるシナジー効果で全体の基盤を強固にしていくことを指針としており、今後の新たな領域への展開では、他社とのXRコンテンツの開発や協同プロジェクトが注目される。テレビの枠にとらわれないコンテンツ制作を応用させて、新たな体験型アトラクションで、新機軸の確立を目指している。
人気番組:東大王、世界くらべてみたら、水曜日のダウンタウン、笑える!泣ける!動物スクープ100連発、人間観察バラエティ モニタリング、王様のブランチ、人生最高レストラン、マツコの知らない世界
・テレビ朝日ホールディングス
朝日新聞社系の民放キー局。音楽出版も展開
「スポーツのテレ朝」ともいわれるテレビ朝日。サッカー日本代表戦の放映権を持ち、2018年度の視聴率ベスト10にもスポーツ番組が5つランクインしている。
2016年4月にはサイバーエージェントとともに、ネット放送チャンネル「AbemaTV」を増設し、開局4年で累計5,000万ダウンロードを記録した。今後もネット放送とスポーツを主軸に展開していくと考えられる。
人気番組:徹子の部屋、相葉マナブ、フィギュアグランプリシリーズ、全日本大学駅伝、相棒、ドラえもん
・テレビ東京HD
日本経済新聞社系の民放キー局。経済番組に強いほか、様々なアニメーション番組を手掛けている。人気番組:家、ついて行ってイイですか、孤独のグルメ、ゴッドタン
ここまで、日本の大手テレビ局について、その特徴を紹介してきました。
テレビCMをどの番組に出せばいいのかはテレビ番組のターゲット層別に検討することもできます。
テレビのターゲット層は以下のように分類することができ、各番組はこの分類を意識して制作されています。
そのため、番組の特徴からどの層に人気なのかを割り出し、自社製品のターゲット層と合致する番組に広告を出すことは有効だといえます。
テレビのターゲット層の分類とそれぞれの特徴
・C層 (Child、Kids) 男女4歳~12歳
アニメ番組の人気が高く、クイズ番組やアイドルやお笑いタレント出演のバラエティ番組が人気です。
・T層 (Teen-age) 男女13歳~19歳
音楽番組、お笑いタレントによるバラエティ番組、ドラマ番組などに人気があるのが特徴です。また近年は一定の層で子供向けではないアニメが好まれています。
・M1層 (Male-1) 20歳~34歳の男性
21時以降の時間帯を中心に、バラエティ番組、ニュース番組、スポーツ番組(スポーツニュースを含む)を好む傾向があります。
・M2層 (Male-2) 35歳~49歳の男性
スポーツ番組の人気が高いですが、ニュース番組、映画、ドラマなども好む傾向があります。
・M3層 (Male-3) 50歳以上の男性
スポーツ中継、時代劇、ニュース番組、早朝の情報番組・ニュースなどが人気です。最近はBSが好まれています。
・F1層 (Female-1) 20歳~34歳の女性
ドラマを中心に、音楽番組、情報系のバラエティやクイズ番組などが人気です。
・F2層 (Female-2) 35歳~49歳の女性
ドラマ、ワイドショー、クイズバラエティなど、多様なジャンルを視聴する傾向があります。
・F3層 (Female-3) 50歳以上の女性
ワイドショー、ドラマ、時代劇、ニュース番組など比較的早い時間帯またBSが好まれています。
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本記事では日本を代表する広告媒体を例として分析しましたが、Brandismでは、クライアントの商材やイメージ、ターゲットに合わせて、どの広告媒体が効果的かの判断もサポートし、それぞれにあったブランドマーケティングを実践していきたいと考えています。
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