目次
リテールメディアとは
「最近注目のリテールメディア」
「アメリカでリテールメディアが巨大市場に成長している」
「日本でもリテールメディアがトレンドになりつつある」
など広告・小売業界に多少なりとも関わっている人や最新のマーケティングに興味がある人であれば「リテールメディア」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
新たなデジタルおよびオフラインマーケティングの手法としてリテールメディアの市場規模は今後急速に拡大することが予測されます。
実際、既にリテールメディアで成功している米国のAmazonやウォルマートに続いて、日本でもいち早くセブンイレブンが「リテールメディア推進部」を設置し関東圏の約70店舗で検証実験を始めました。(参照)
本記事では、これからの時代におけるマーケティングに欠かせないリテールメディアの特徴や注目を集めている理由、日本での活用方法について解説していきます。
リテールメディアの詳細説明
そもそもリテールメディアとはどういうものなのでしょう?
リテールメディアとは、小売(リテール)企業が自社で保有する消費者のデータを活用し、精度の高い広告を配信する仕組みのことです。
小売企業が持っている、商品の販売データや顧客データなど実店舗での情報を活用できるという特徴があります。
メディアの媒体としても、小売企業が運営するECサイト上のオンライン広告や実際の店舗に設置されたディスプレイに掲載するデジタルサイネージ広告などがあります。
メーカー各社がリテールメディアを利用する場合、紙媒体やテレビ、SNSなどに出稿する広告費用や小売企業への割引配布用の費用から予算を捻出することになりますが、メーカー各社のマーケティング担当者にとって、限られた広告の予算をどのように分配するのかは大きな課題です。
リテールメディアを使う利点は何なのでしょうか?ここからはリテールメディアを導入するメリットについて見ていきます。
リテールメディアで売上は上がる可能性がある
従来のマーケティング手法とは違うリテールメディアの利点としては何があるか説明します。
大きな違いは実際の消費者の購買データを活用できるという点です。
多くのメーカーは自社の商品が消費者に買われたか否か、買われた場合どのような層に買われたのかという購買データや顧客データを自社で持てていません。
D2C(Direct to Consumer)を導入しているメーカーも多いとは思いますが、大部分の売り上げはいまだに小売店で発生しているため実際の購買データはほとんど把握できていないのが実情です。
広告のターゲティングの精度を高めるための基盤となるその購買データを持っているのが小売(リテール)企業です。
リテールメディアは実際の顧客の購買データを元にターゲティングを行えるため精度が非常に高い上、店舗にあるサイネージ広告は来店客が購入する直前に目にするため購買に繋がりやすいメディアです。
店舗アプリやECサイトを利用する購買意欲の高い顧客に対して親和性の高い広告を出稿することができるため売上が上がりやすいとも言えるでしょう。
リテールメディアはメーカーの売上に繋がりやすいというのはもちろんですが、小売企業や消費者にもメリットがあります。
小売企業にとっては、ECサイトや店舗での広告枠の設置により広告収入を得ることができる上、自社で保有する顧客情報を有効活用し売上を伸ばすことができます。
また、消費者にとっては、精度の高いターゲティングにより不要な広告や告知が減少し自分の興味関心の高い商品の情報を得ることができます。
(参照)
ここで少しリテールメディアの具体例を説明します。
リテールメディアの成功例
米国のデジタルリテールメディア市場において一位を維持しているAmazonのリテールメディアについて見てみましょう。
Amazonを販売チャネルの一つとしているメーカーは多いと思いますが、Amazonでの販促の中心であるAmazon広告の予算配分や最適化はメーカー担当者にとって重要な業務です。
Googleやヤフーが提供する広告サービスは、広告から実際に購買できるページに移るまで複数のステップが必要ですが、Amazon広告の大きな特徴は一部の広告メニューを除き広告がAmazonサイト内に表示されてAmazonサイト内で購入ができるという点です。
Amazonのサイトをみている時点で顧客の購買意欲は高いため、より購入に繋がりやすく売上に貢献しやすいと言えます。(参照)
ちなみに、リテールメディア自体は最近できた新しい概念というわけではありません。例えばAmazonは、出店している企業と顧客をつなぐために2012年頃から広告商品を提供しています。
ではなぜここ数年でリテールメディアの開発や提供に力を入れて取り組む企業が増えているのでしょうか。
なぜ”今”リテールメディアが注目を集めている理由
リテールメディアが今注目されている理由は主に二つあります。
一つ目は、デジタルマーケティングにおけるプライバシー保護が強化されていることです。
具体的には、個人情報保護を目的としたサードパーティーCookie規制の動きが強まっており、今までのサードパーティーデータ(第三者が提供するデータ)を利用してターゲティングをし広告配信の精度を高めるという方法が今後は難しくなると予想されています。
その対策として、小売企業が持っている実店舗で集めた顧客データの活用に注目しているメーカーが多いと言えるでしょう。
二つ目は、2020年からのコロナ禍による外出自粛を経て、消費者のオンラインでの購買行動が増えていることです。
ECサイトを利用する顧客が増加したことで、小売企業が持つECサイト上にそれぞれの顧客に合った親和性の高い広告を掲載する必要性が高まっています。
(参照)
日本におけるリテールメディアの必要性
米国でリテールメディアが急成長している理由は先ほど述べたCookieの規制が大きいですが、それほど規制が厳しくない日本においてリテールメディアを導入する必要があるのか疑問に思う方もいるかもしれません。
米国と日本の大きな違いはEC化にあります。
EC化が進んでいる米国に対し日本ではドラッグストアやコンビニが発達しているため、BtoC(Business to Customer)事業のEC化比率は10%にも満たず売上のほとんどが実店舗で発生しています。
そのため、実店舗に精度の高い広告を掲示できるリテールメディアが売上に大きく貢献する要素となります。(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)
おわりに
リテールメディアは2023年以降で最も成長が予測されるデジタル広告と言われており、これまで導入したことのないメーカーにとっては大きな投資になるでしょうし、すでに実施している場合でも少し改善するだけで売上に大きく貢献する分野です。
Brandismはリテールメディアについての支援も行っております。
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