消費財で学んだマーケティング思考法で短期的な売上と中長期的なブランド育成を両立~Brandism代表木村インタビュー

Brandismの代表である木村元にインタビューを実施しました。

ユニリーバをはじめ、長年ブランドマーケティングに携わってきた木村のマーケティングへの考え方やBrandismを創業した理由、これまでのマーケター人生など幅広くお話させていただいております。

新卒でユニリーバに入社しブランド・マーケティングを経験

-これまでの経歴を教えてください。

生まれてから大学まで兵庫県で過ごし、神戸大学を卒業後、2009年にユニリーバ・ジャパンに入社しました。

約2年半、営業を経験し、その後はマーケティング部門にて、LUXやDoveといったブランドのマーケティングに携わってきました。

 

-なぜ新卒でユニリーバを選んだのでしょうか。

元々はグローバルのスポーツメーカーに入りたかったのですが、新卒採用がありませんでした。

どうすればそこの会社で仕事が出来るかを考え、先輩方にアドバイスをもらったところ、グローバルかつマーケティングに強い会社で経験を積むことが最短だと伺いました。

そこで、グローバルのブランドマネジメントに強く、また、創業時からパーパスを大切にしていたユニリーバに共感し、入社をしました。

もちろんマーケティングに関心はあったのですが、新卒の会社としてユニリーバを選んだ一番の理由は、入りたかったスポーツメーカーへの最短の道という理由でした。

 

-最初は営業入社だったのですね。

そうです。ユニリーバは部門別採用をしていて、営業を希望して入社しました。

マーケティングで成果を出し、キャリアを積むためには、まずは営業として現場で経験を積んでから、という体育会系の考えがありました。

キャリアプラン通り、営業の外勤と内勤を経験した後、マーケティングへと部署異動をしました。

外資系の消費財メーカーでは、営業からマーケティングに異動する人はかなり少ないですが、自身のキャリアへの考えをユニリーバが理解をしてくれたことに加えて、運やタイミングが支えてくれたように思います。

 

-マーケティングに異動してからはどのような仕事をしてきたのでしょうか。

LUXというヘアケアブランドのアシスタントブランドマネージャーとして日本国内のブランド戦略の実行を行ってきました。

その後はブランドマネージャーとして、日本やアジア諸国のLUXやDOVEのブランドマーケティングを担当してきました。

マーケターの役割は短期の売上と中長期的なブランドの育成の両立

-“マーケター”の現状をどうお考えでしょうか。

D2C業界やベンチャー業界と関わる中で感じているのは、マーケターの人員が不足しているということです。

私は幸運なことに、先輩や上司などチームに恵まれてマーケティングを学ぶ期間がありました。

しかし、周りの友人の話を聞いていると、マーケティング組織が十分に整っていない企業も多く、マーケティングを体系的に習得できる場がない人の方が多いと感じます。

ベンチャー企業だと組織のあり方によって変わってきます。

創業から数年ほどの企業だと、社長を中心にエンジニアや営業を中心とした人員を優先して採用し、バックオフィスと同様にマーケティング部門の強化、採用が後回しになっている企業があることも事実です。

そうした中で、企業はマーケティングの強化を進めないといけないにも関わらず、マーケティング人材が不足していることから、私のようなマーケティング業務の経験がある人を探しているように思います。

-マーケターは会社の中でどのような責任をもっているとお考えですか?

消費財メーカー的な視点で述べるとPL(損益計算書)の責任者です。

与えられた予算の投資効果を最大化するミッションを背負いながら、日々マーケティング、そして事業に取り組んでいます。

企業ごとの定義にもよりますが、ブランドマネージャーと呼ばれる職種のマーケターは、ブランドのPLを管理し、それが業績のターゲットになります。

マーケターもしくはマーケティング責任者がPLの責任を負っていない組織は、マーケティング施策が目先のプロモーションに終始しがちです。

PLと一言にいっても、単年やクオーターごとの短期の目標と、数年単位で構築するブランド・エクイティと共に作られるビジネスのどちらもきちんと計画をたて、目標を目指していかなければなりません。

自身の業務を振り返っても、短期の売上成長や利益だけであれば、売上に特化したプロモーション施策や、広告予算のコントロールにより目標達成が可能であり、難易度は高いとは感じません。

一方で、単年での売上成長を達成しつつ、中長期的にブランド育成を両立できるマーケティングの難易度は常に高いと感じていました。

マーケティングに詳しい方がいない企業だと、そもそもブランド・エクイティをトラッキングすることが、中長期的に売上に寄与するといった発想がないため、余計に苦労されると思います。

経営者側は、マーケターに正しいKPIを負わせることが重要で、短期的なKPIを要求しすぎると、長期的に成長するブランドにならなくなってしまします。

しかし、この見極めが非常に難しいのです。

特にブランドマーケティング視点でのKPI設計についてはよく相談されますし、こうした設計を私は得意としています。

Brandismを通じて、今まで培った経験やノウハウを還元しマーケティング課題を解決する

-Brandismを立ち上げた経緯を教えてください。

Brandism創業以前からいくつかのベンチャー企業から、ブランドマーケティングを中心としたマーケティング業務の依頼を受けることが増えました。

ユニリーバは副業や兼業への理解が深く、本業以外のビジネスを経験することによる社員の成長を応援してくれました。

そのため、私自身も積極的に、スタートアップ企業に対してマーケティング戦略の立案やマーケティング人材の育成を行ってきました。

そして、ユニリーバ時代の後輩が、デジタルを中心としたマーケティング支援事業を行っていたこともあり、お互いの強みを活かせばよりよいマーケティング支援ができると思いBrandismを一緒に創業しました。

 

-Brandismでやりたいことを教えてください。

Brandismを通して、マーケティングに困っている企業を一社でも減らしたいと考えています。

マーケティングは、目先の売上を作るためのプロモーションの手法として捉えられがちですが、本質はプロダクト自体の価値を最大化することだと思っています。

プロダクト自体の価値を最大化するために、プロダクト自体の中身を磨き込むことはもちろんですが、使っていただきたいユーザーに対して、認知され、理解され、共感してもらうための仕組みを作る必要があります。

そしてこれらをきちんと成功させることで、売上を作り、利益を生み出し、プロダクト開発に継続的なリソースを割くことができるようになります。

マーケティングは、この全てのプロセスに関与するものであり、Brandismはクライアントの皆様のマーケティング業務の中でリソースやナレッジが足りていない部分に対して、マーケティングのノウハウ、実行力、組織づくりの面から支援していきたいと考えております。

 

-Brandismは何をする会社なのでしょうか

Brandismはブランドマーケティングの考え方やノウハウをクライアントにお伝えし、マーケティング的観点から事業の成長をサポートする会社です。

ブランドの本質を明確に伝えるブランドマーケティング

-ブランドマーケティングとはどういうことでしょうか。

大きな定義のマーケティングの中での一つの手法であり、考え方です。

あらゆるtoC、toBプロダクト問わず、消費者が考える対象物へのイメージがあって、そのイメージに紐づくものが、ブランド価値を作っていきます。

ブランドマーケティングとは、ブランドに紐づいたあらゆるイメージを向上させるプロセスだと考えています。

 

-ブランドマーケティングはtoBでも役立つのでしょうか。

役立ちます。

最近では、toC以上にtoBの方でブランドマーケティングが役立つのではないかとすら思っています。

ブランドマーケティングの定義は人によって様々ですが、大前提として、ブランドの本質や機能や価値を、明確に伝えていくことが大切だと考えています。

良い機能や価値があるにも関わらず、それが正しく伝わっていないプロダクトやサービスが世の中には溢れています。

特にtoBのプロダクトはその複雑さが故に、機能が上手く伝わっていないケースがとても多いと感じています。

また、toBにおいては、投資やサービスのブランドへの信頼の重要性が増します。

例えばSaaSはチャーンレート(解約率)が低く、月額の費用が高いビジネスです。

SaaSを契約する際は会社として、そのサービスが信頼できるものかを慎重に判断し、契約する必要があり、数百円の消費財を選ぶときよりも慎重な意思決定をしていることになります。

さらに、toBにおいては明確な機能伝達ができることが重要なのですが、この機能伝達ができていない会社が多く、営業に苦戦していることが多いです。

実際に私がBrandismにてマーケティング支援を担当しておりますecforceというECカートプロダクトは、機能伝達をより明確化し、広告などでコミュニケーションをとっていくことで、導入数を伸ばすことができました。

このように、ブランドマーケティングの手法はtoBの事例でも効果を実感していただくことが可能です。

 

-toCで培ったノウハウはtoBに使えるのでしょうか。

toB、toC問わず、意思決定の最小単位は人であり、決定者のインサイトをとらえることができるかどうかが重要です。

インサイトを捉えた上で、プロダクトの価値提供やReason to Beliveを伝えるという構造も変わらないため、大いに活用ができると思います。

ユーザーを惹きつける3つのポイント

-Reason to Beliveについてもう少し教えていただけないでしょうか。

基本的にtoBでもtoCのビジネスでも、ユーザーがプロダクトに興味を持ってもらうための、3つのポイントがあります。

1点目がインサイトです。買う人が本質的に何を求めているか、ということです。

インサイトとは、顕在化しているニーズの奥底にある、言語化されていなかったり、表面化されていなかったりするニーズです。

プロダクトによっては、インサイトではなく、シンプルに顕在化されているニーズに対して、アプローチするケースもあります。

2点目がベネフィットです。ベネフィットとは、消費者が求めるものに対して商品が満たす便益のことです。プロダクトの価値そのものです。

3点目がReason To Believe(RTB)です。

RTBとは、上述したベネフィットが、信頼に値するかどうかということです。ベネフィットを信じる理由ともいえます。

化粧水を例に考えてみましょう。ユーザーのニーズが「肌の乾燥を防ぎたい」だとしましょう。

そして、肌がうるおうというのがベネフィットとなります。

このときのReason To Believeは、ヒアルロン酸がはいっているということ、すなわちユーザーが「どうしてこの商品を使うと潤うのだろう」と考えたときにその下支えとなる理由です。

Reason To Believeといえば、最近のtoBでは権威付けが流行っています。

例えば業界の「no.1」であったり、導入実績が何百社であったりするものも、それに該当します。

業界「no.1」であることや、導入実績が多いことを示すことは、自社の製品、サービスが信頼に値するものであることを下支えする理由になるのです。

 

-他社のRTBを真似るのが簡単に思えてしまいますがどうでしょうか。

プロダクトアイデア自体によってベネフィットの強さは変わってきます。

他社のRTBを真似ることでプロダクト自体の性質を超え、それっぽくいいように伝えることはマーケティングではないと考えています。消費者を欺いているだけです。

仮に、短期的にユーザーを獲得したとしても事業はいずれ伸びなくなってしまいます。

一方、プロダクトの品質自体を継続的に向上していく技術があれば、同時にベネフィットも強くしていくことができます。

そのため、プロダクト自体を強くしていくことが重要です。

 

-インサイトとよく聞きますが、どうやって見つけるものなのでしょうか。

インサイトの発掘を言い換えると、「発生している困りごとの、根本的な要因を発見すること」ととらえています。

一般的には、顕在化しているニーズを、ユーザーインタビューなどを通じて、深く探っていくとインサイトを発掘することができると言われています。

しかし、私の経験上、フォーマットやテンプレートに沿った手法では、インサイトを見つけ出すことは難しいと考えています。

一つ、実際に自社のメンズブランドの例を挙げます。

ある30代のビジネスマンは、手の乾燥に悩んでおり、またそれによって、綺麗な手の見た目を保てていないことを気にしていました。

ここまでは「乾燥が気になる」や「綺麗な手を手に入れたい」という表面的なニーズです。

シンプルに、ハンドクリームを提供すれば解決できそうなのですが、男性のインサイトは複雑です。

ハンドクリームを使っているところを見られたくない、いや、きちんとケアしていることを周りにアピールできるので、反対に見られたいのか、と明確な答えは持っていません。

また、更に聞いていくと、わざわざトイレにいってハンドクリームを塗っているのも少し女々しい気もするので、デスクでさらっとクリームを塗りたい、でもそうすると手がベタついて、パソコン作業にすぐに戻れない、スマホを持っていると画面が汚れる、といったような、最初に聞いたニーズとは異なるものがどんどん出てきます。

結論として、男性が常備してもかっこよく、ベタつかないハンドクリームの製品開発に至ったのですが、この製品は非常に好評で、売り上げを伸ばしています。

もし表面的なニーズから製品を開発すれば、「乾燥を防ぎ、綺麗な手に」というベネフィットの製品になってしまっていたと思います。

このように、インサイトはターゲットとの対話から深掘っていくことで見つけられることが多いです。

ステージに合わせた柔軟なマーケティング支援で事業を強くする

-Brandismでは主にどういった企業を支援しているのでしょうか。

多いパターンとしては、「CMOはいないがマーケティング担当者はいる。これから事業を拡大していくフェーズなので、マーケティング戦略について相談させてほしい。」というものです。

ベンチャー企業、スタートアップを中心に幅広く支援しています。

最近では大型調達をして、これまで以上にマーケティング予算が増えた企業様からの依頼も増えています。

マーケティングと一言でいっても企業ごとに課題は異なります。

「そもそも今作っているプロダクトがユーザーの課題を解決するものなのか調べたい」

「これまでとは違う方向性でブランドマーケティングを行っていきたい」

「新規事業を立ち上げたいので対象ユーザーにニーズをヒアリングしたい」

「これまではデジタルマーケティングのみでやってきたけれど、テレビなどマスマーケティングの領域に進出したい。しかしノウハウがなく困っている」

「マーケターの育成ノウハウがない」

「芸能人を起用してみたい」

といった幅広い相談がきます。

我々にできることもありますし、PR領域やテレビCMの枠の買付などは協力している会社に依頼することもあります。

大手広告代理店とずっと仕事をしてきた関係で、大手広告代理店とのパイプもあるため、彼らとうまく付き合っていく方法についてもお伝えしています。

もちろんブティック系の少数精鋭の代理店とご一緒することもあります。

我々の主なクライアントであるスタートアップやベンチャーは体制も整っていなければ、常に成長し、変化していきます。

その変化に合わせて柔軟にマーケティング戦略を考えるのが我々Brandismの役割だと考えています。

 

-消費財ビジネスのノウハウを、例えばインターネットビジネスに活かすことはできるのでしょうか。

消費財ビジネスの知識やノウハウをそのまま使うわけではありませんが、活かすことができます。

消費財ビジネスは少しずつプロダクトの機能に差がつきにくくなっているため、市場競争が激しいです。

そのため、強固なブランドイメージを作り上げることや、これまでに市場になかった新しい付加価値をいかに生み出せるかが、競合優位性として重要になります。

WEBサービスであっても、ユーザーのどういう課題を解決するのか、また、ユーザーからどのように思われたいかという点を定義することは消費財ビジネスの手法と変わりません。

ユーザー調査の調査設計から実行についても、消費財ビジネスで消費者に対して実施する方法を転用することが可能です。

 

-Brandismで最終的に達成したいことは何でしょうか。

今の日本にある事業を一緒に強くしていきたいです。

ここでいう強くするとは、売上や利益を拡大していくことです。

そこで得られた売上と利益を活用することで、世の中の生活消費者、社会をよくしていくことにつながると思います。

イギリスで働いたり、世界中の同僚と話したりする経験の中で、日本はプロダクトが強いにも関わらずマーケティングが弱いためうまくいっていない、という話をよく聞きました。

Brandismを通じてマーケティングを強化することで事業を強くし、日本の事業全体が強くなっていけばよいと考えています。

また、売上と利益を拡大し、それを新しいプロダクト開発へのリソースに転換することで、もっと強い事業を作る循環を生み出す企業に溢れる国になれたらいいと思っています。

ユニリーバ時代に学んだ「ブランド力向上=売上増加」になる戦略の重要性

-マーケティングに関する思考法をどのように学んだのでしょうか。

ユニリーバで働いた影響が大きいです。

ユニリーバはブランドマーケティングの考え方を元にマーケティングを展開しているので、実践的なブランドマーケティングを学ぶことができました。

実際にブランド力があれば成長していく実例を目の当たりにして、ブランドマーケティングの力を痛感しました。

そして、実体験としてブランドマーケティングの威力を目の当たりにしたことで、ブランドマーケティングをもっと日本で広めたいと考えるようになりました。

 

-実体験としてどのようなことを感じたのでしょうか。

私は、LUXヘアのブランドを担当していましたが、LUXは2000年代にはマーケットシェアで苦戦していました。

資生堂のTSUBAKIや花王のASIENCEなどがLUXのブランドイメージと逆のイメージとなるキャンペーンを打つことでLUXのイメージが相対的に下がったのです。

LUXは西洋的なイメージを訴求していたのに対して、資生堂や花王などは”和”のイメージを訴求していました。

しかし、LUXではこれまで一貫した西洋のイメージを崩さずに、新しいプロポジションをとっていくことでブランドイメージも改善されていくという経験をしました。

マーケティングの部署において、成すべきこと(Jobs To Be Done)はブランドイメージの向上やブランド・エクイティの向上ではなく、売上と利益が最終目標です。

よくある勘違いに、外資系のマーケティング会社の得意分野は、中長期的なブランド作りであり、目先のビジネスを成長させることではないというものがあります。

しかし、これは少なくとも私のユニリーバの経験では、むしろ逆で、中長期のブランド戦略を理解しつつも単年、単月、単週の数字を貪欲に追いかけてきました。

そして、その売上や利益の目標を達成するために、様々な因数分解をしていき、因数分解した1つにブランドイメージやエクイティがあります。

当然、ブランドイメージが良く、ブランド・エクイティも強いものは、面白いように売上、利益が上がっていきます。

反対に、ブランドイメージやブランド・エクイティの指標が落ちているものは、売上が下降傾向にあります。これはどのカテゴリでも、どの商品でも該当します。

そのため、ブランドエクイティをあげることが売上につながるようにするKPI設計が重要になってきます。

 

-ブランド・エクイティ、ブランドイメージの戦略を立てる方法ついてもう少し教えていただけますでしょうか。

毎週、毎月、そのカテゴリにおける、重要なアトリビュート(性質)を観測することです。

例えば、アトリビュートには、「このブランドは髪の毛にツヤをあたえてくれる」といった機能的なものから「気分を上げてくれる」という情緒的な要素まで、20~30くらいの構成要素があります。

このようなアトリビュートを、総合的に評価していくことで、世の中における自社や競合ブランドのブランドエクイティを数値的に追いかけていきます。

認知度をあげ、第一想起をとるはもちろん、このような細分化されたブランドイメージを追いかけていくことで、自社で目指したいブランドイメージと、ユーザーが考えているブランドイメージのギャップを埋めた、正しいブランディングが可能となります。

Brandismが提供するマーケティング支援とは 

-Brandismのリサーチプロダクトについて教えてください。

Brand Image Analytics(BIA)と呼ばれるプロダクトを提供しています。

Brand Image Analytics(BIA)とは、ブランドエクイティを可視化し、数値化するトラッキングシステムです。トラッキングするといってもトラッキングを開始するタイミング目標やフェーズに応じてそれぞれ異なります。

まず、弊社がよくご相談を受けるフェーズには2段階あります。

1つ目は、ブランドをローンチするフェーズから売上が年間1億円ないくらいの立ち上げフェーズです。

2つ目は、ある程度売上がでてきたタイミング(売上年間5億円~)です。

後者のフェーズでブランドのトラッキングをしていない場合は、すぐにトラッキングを開始すべきだと考えています。

広告投資も年間億単位になっていますので、その広告投資が正しい方向に使われているかは、トラッキングを通して初めて知ることができます。

また、前者の立ち上げフェーズであっても、今後急激な事業成長を目指している企業様には、ブランドのトラッキングを開始することをおすすめしています。

BIAでは、商品が分類されるカテゴリに応じて、トラッキングすべき重要な項目があります。予算にもよりますが、通常はカテゴリにおいて重要とされる上位10項目を調査していきます。

また、自社ブランドだけではなく競合ブランドの数値も把握していくことが大切です。

トレンドとしてカテゴリ全体の指標が伸びている場合は、競合と比較して伸びているかどうかも確認すべきポイントになります。

そして多くの場合、認知率調査も実施します。

認知されているかどうか、そしてそのカテゴリ内で第一想起になるかなどは抑えるべきポイントですので、こうしたポイントを抑えるための調査はとても重要です。

BIAでこれらの指標を数値的に明らかにすることにより、今後のマーケティングプランを大きく改善することが可能です。

 

-Brandismと他社との違いを教えてください。

マーケティングリサーチなど調査した結果を、マーケティングプランの次の一歩に活かすところがBrandismならではの点です。

調査会社では、マーケティングプランを作成するところまでの経験がないため、リサーチ自体はネクストアクションを伴わないものになることもあります。

リサーチサービスを提供することは、ブランドマーケティングにつながるからこそ重要だと考えています。

リサーチをすること、そしてそのリサーチをブランドマーケティングに繋げることは、ひいては売り上げと利益を伸ばすことに繋がります。

もちろん弊社にも調査のプロがおり、正しいリサーチパネルの活用方法はありますし、事業を伸ばすためにどういう項目をトラッキングしていけばうまくいくかというノウハウも十分にあります。

ただ調べるだけで、「確かにこの結果はそうだよね、じゃあ次どうしよう?」とリサーチ後に足が止まることを防ぎたいと考えております。

もう1つの違いとしては、リサーチの単価を大きく下げたことにあります。

独自のリサーチパネルの提携や、これまで蓄積されたリサーチメソッドの確立により、調査設計のコストダウンに成功しています。

大手企業だと1ブランドに数千万円のリサーチ費用がかかることもありますが、弊社ではこの費用を10分の1以下に抑えることで、ベンチャー企業や中小企業でも利用しやすいサービスとなっています。

 

-BtoBやBtoCのWEBサービスや消費財が得意領域かと思いますが、経験のない領域の調査も依頼できるのでしょうか。

もちろんできます。

リサーチに関しては、よほどニッチな領域ではない限り、調査経験がない領域だとしてもリサーチの構造上、やることは同じです。

ブランドイメージは、ターゲットになりうるユーザーによって決まります。

ブランドイメージを決めるのは会社でも私でも、有識者でもなく、顧客自身の目線であることを理解しておけば、顧客に聞くことで問題は解決できます。

マーケターが顧客目線で考える方法

-顧客目線で考えられるようになるにはどうしたらよいでしょうか。

2つポイントがあります。

1点目はプロダクトを徹底的に観察することです。

例えば、シャンプーとボディソープであれば週に1時間は客観的に売り場で商品を見る癖をつけましょう。

資料やデータではなく、購入される現場、使用される現場で観察することで学べるものはとても多いです。

観察がしやすい消費財ではないもの、例えばtoB向けのSaaSビジネスなどは、WEB上のLP(ランディングページ)の画面や、バナーを見て、実際に提供しているサービスの内容を理解していきます。

申し込みや使用までの実際のフローをご自身で体験してみましょう。

2点目は、自分自身がその商品やサービスのターゲット(年齢、性別など)ではないときは、反対に客観的になれるチャンスだと考えることです。

自分自身がターゲットの商品やサービスだと、過去の経験や先入観により、固定概念で判断してしまい、良いマーケティング戦略が立案できないことがあります。

しかし、自身がターゲットでないものの場合は、客観的視線を持ちやすくなります。

女性マーケターで、自分がターゲットとなる商品ばかりやってきた方だと、自身がターゲットではないメンズカテゴリに移行されたときに苦労される方がいらっしゃいます。

ターゲットでない領域ならば、ターゲットがとりそうなことやターゲットが読む文献を同じ用に見てみて、ターゲットが経験することを実際に経験してみてください。

例えば20代がターゲットのサロン向けシャンプーのマーケティングだとしたら、普段20代が使うTikTokに触れ、Instagram映えするようなスポットを周ってみるといった、消費とは直接関係ない行動まで体験してみる必要があります。

また、20代といっても、5年前の20代と今の20代では行動も傾向も大きく異なりますので、その時代に合わせて調べなければうまくいきません。

商品カテゴリだけで考えずに、消費者のことを深く把握していくことができればマーケティングのスキルは大幅に伸びていきます。

 

-Brandismの今後をどのように考えていますか。

今は、マーケティング領域にとってチャンスの時期だと思っています。

ブランドマーケティングはマーケティングにおける基礎中の基礎です。これまでは、本に書いてあるようなブランドマーケティングを行い、マスブランドが繁栄する時代でした。

しかし、これからは、広告チャネルの多様化や好みの細分化によって、事業の作り方が大きく変わってきます。それにあわせてマーケティングも変化させていかなければなりません。

今では、広告ハックといった目先の小手先のテクニックで売上を継続的につくることは難しくなりました。アフィリエイトなどで短期間だけ売上を作ることはできるかもしれませんが、継続することが難しいのです。

そこで”ブランド“を作っていくことの重要性がより一層注目されるようになりました。

ブランド作りに欠かせない、ユーザーや消費者に寄り添って、価値提供をしていくプロセスの中で、マーケティングはとても重要視されています。

マーケターにとってチャンスというのは、短期的な売上も重視しつつブランドマーケティングのノウハウを勉強していくことで、メガブランドを作ることができる可能性があるということです。

WEBマーケティングで最初は売上を伸ばし、その後マスマーケティングを徹底的に突き詰めていくことで、メガブランドを誕生させられる可能性が今の時代は大いにあります。

こうしたブランドの成長を、Brandismを通してサポートしていきたいと考えています。