プロが実践するマーケティングリサーチ手法

当社はマーケティング戦略に特化したコンサル会社です。
多くのクライアントのマーケティング戦略の立案から実行までを担っております。

マーケティング戦略を実行するうえで欠かせないのがマーケティングリサーチです。

マーケティングリサーチに関しては、グループインタビューやアンケート調査、1対1のインタビューなど調査手法にばかり言及されていることが多いです。

どういった目的で、どのタイミングでマーケティングリサーチを実行すべきかについて論じられておらず、マーケティングリサーチが活用されていないのが実情です。

当社の実例を交えながら、マーケティングリサーチを活用して正しいマーケティング戦略の立案から実行までのプロセスを説明します。

マーケティング戦略立案にマーケティングリサーチが必要な理由

マーケティング戦略の成功確率は「どれだけターゲットを理解しているか」によって決まると言っても過言ではありません。

ターゲットを深く理解したうえで構築されたマーケティング戦略の成功確率は限りなく高く、逆に、ターゲットについて理解できていない要素が多ければ多いほど、成功確率が下がり、ギャンブル性が高くなります。

ターゲットを理解する最も有効な手段が「マーケティングリサーチ」です。

つまり、マーケティングの成功確率を高めるためには、マーケティングリサーチは欠かせない存在なのです。

マーケティングリサーチを行わない企業は意外にも多く、過去の経験値や過去の施策をそのまま踏襲し、新たなリサーチの必要性を感じていないことが主な要因となっています。

しかし、これから実行しようとしているマーケティング施策が、果たして本当に投資対効果を最大化するマーケティングプランになっているのかどうかを検証する必要があります。

過去と同じ戦略が、現在の市場環境においても有効であるとは限りません。

特に、直近の市場トレンドや消費者嗜好の変化を把握せずに施策を立てると、マーケティングの投資が無駄になりかねません。

矢野経済研究所などのマクロデータは、市場の大枠を知る上では有用ですが、個別具体的な自社商品の戦略立案には不十分であり、独自のマーケティングリサーチを実施することが必要になります。

定量調査と定性調査

調査の種類は様々ありますが、定量調査定性調査の2つのみを覚えておけば十分です。

定量調査は、数百人〜数万人規模にオンラインアンケートを実施します。
検証したい仮説がある場合、市場を単純に知りたい場合など様々あります。

定性調査はデプスインタビュー(1:1のインタビュー)が該当します。
集団でインタビューする形式もありますが、昨今はデプスインタビューをメインで行う企業が多いです。

定性調査を実行する際には、インタビュアーの力量が問われるため、インサイトを導出するのは非常に難しいです。

マーケティング部門の担当者ではなく調査部門の専門家が行うことが多いです。

定量調査と定性調査のどちらから実行したらよいのかという質問を多くうけますが、ケースバイケースです。

どちらから実施したほうがよいというのはなく、定量調査をしてから定性調査をしてさらに定量調査というパターンもあります。

実務においては調査会社と相談して決めるとよいでしょう。

一方で、調査会社は調査を多く実行することで売上になりますので、調査を多くすることを勧めてきます。

本当に必要なものとそうでないものを事業会社側が判断する必要があります。

調査をして損することはないですが、広告費やキャンペーン費用につかい一人でも多くの消費者に商品を届ける努力をしたほうがよいでしょう。

マーケティングリサーチの活用タイミング

マーケティングリサーチの活用タイミングは様々ありますが、一例を掲載させていただきます。

大きく下記5パターンに大別されます。

すべてのタイミングでマーケティングリサーチを実行することが望ましいですが、特に事業において重要なタイミングで実施することが重要です。

1/ 新規参入時の調査

新規の商品を市場に投入するとき、もしくは、リニューアルするときに市場を調査することが重要です。

ここでいう市場調査は大きく2パターンあります。

1パターン目が市場規模の調査です。
市場が成長している場合、商品の投入が成功する確率はあがります。

一方、市場が停滞している場合、もしくは減少している場合は市場参入は控えたほうがいいというのは感覚的にわかる話です。

市場規模などは前述の矢野経済研究所のデータや野村総合研究所といったシンクタンクやコンサルティングファームのデータが信憑性があります。

2パターン目が消費者トレンドの変化です。
例えば、10代が広告触れて購入にどのように至るかを見るときに、従来はテレビから小売だったのがご存知の通り変化しています。

インターネット広告を見て、SNSの投稿を見て、店頭のサイネージを見て、購入してさらには口コミを友だちと共有してといったようにプロセスが多様化してきました。

SNSといっても、Instagramだけでなく様々なSNSが増えています。SNSもタイムライン投稿から、ストーリーのみになったり、ストーリーも限定公開になったりと使い方が変わっています。

さらにクローズド化して、BeReal.のみ動かしているという10代もいます。

こうした消費者の変化を捉えるには、レポートではなく、自社独自の消費者調査を実行する必要があります。

化粧品や消費財などの領域は嗜好が絶えず変化していくので、最新トレンドから今後の予測をすることが必要となります。

商品販売するタイミングでの消費者嗜好を正確に予測するのは難しいためマーケターとしての腕が問われてきます。

2/商品コンセプト作成

商品コンセプトを作成する際にも、マーケティングリサーチが活用されています。

例えば、シャンプーのコンセプトを作る際に、消費者調査によって髪のうねりに効果的な商品を夏場は買いたいというデータが圧倒的に占めていた場合、夏場に販売する限定商品はうねりに特化したコンセプトを作成します。

うねりへの訴求方法も様々なので、うねりだけでコンセプトを複数作って、作成したコンセプトを調査にかけることもあります。

3/広告投資前の検証

広告投資はテレビCMを筆頭に大きな予算投下となります。広告投資をする際にもっとも重要なのがクリエイティブ(制作物)です。

クリエイティブの良し悪し次第で投資対効果が大きく変わってきます。

クリエイティブを広告投資する前に、調査にかけることで、どのクリエイティブもしくはどの訴求が効果がでるかがわかります。

インターネット広告の世界ではどちらも出稿して、効果が悪かったほうを取り下げるという手法がよくとられますが、テレビCMや駅中広告(OOH)などは同時に検証ができないので事前の調査が効果的です。

広告投資前の検証はマーケティングリサーチの効果がもっともわかりやすいかもしれません。

4/広告投資後、キャンペーンの効果検証

実際に広告投資、もしくはキャンペーンを実施したあとにどれくらいブランドの価値向上に寄与したかを調査します。

検証作業をしておらず、次にナレッジが溜まっていない企業が見受けられます。

広告やキャンペーンが、認知獲得のためなのか、認知獲得後の興味関心をひくためのものなのか、実際に購入してもらうためのものなのか目的をはっきりする必要があります。

広告投資後に、認知度がどれくらい向上したか、広告がどれくらい購入に寄与したか分析することができます。

今後、効果検証が増えていくはずです。
何事もそうですがやりっぱなしで終わらず、次に活かす学びを得ることが重要です。

5/商品開発後のテストマーケティング

実際に作った商品を市場に出すまでに受け入れられるかテストマーケティングをおこなうためのマーケティングリサーチがあります。

実際の商品を先入観なく調査にかけるのは非常に難易度が高いです。

質問の聞き方次第で調査結果が大きく変わるので、商品の調査に関しては外部の会社に依頼することをおすすめします。

プロにマーケティングリサーチを依頼すると何が違うのか

マーケティングリサーチは「調査設計」が命です。よく“Garbage in, Garbage out”=「ゴミを入れても、ゴミしか得られない」という表現をしますが、どれだけ高度な集計・分析技術を持っていても、そもそも取得したリサーチデータが正しくない場合、結果は全く意味がありません。

調査設計の重要性と難しさを理解し、慎重に設計することが、質の高いデータを得るための第一歩です。

調査設計を誤ると、どんなに分析を工夫しても、結局は意味のない結果を得ることになりかねません。

特に、調査設計の段階で「どのような問いを立てるか」「どの順番で質問をするか」「対象者のセグメントをどう設定するか」などの要素が適切でなければ、結果がバイアスのかかったものになってしまいます。

定性調査の場合は、インタビュアーの力量によっても結果が大きく左右されるため、深いインサイトを導出するためには専門的なスキルが求められます。

こうした点からも、プロに依頼することで、リサーチの精度を高めることができるのです。

単なるデータ収集ではなく、マーケティングの実行段階まで見据えたリサーチを行うためにも、適切な調査設計が不可欠です。

リサーチだけで終わらず実行までを考える

戦略立案から実行につなげることがマーケティングリサーチの重要な役割の1つです。実行ありきで調査をしないと、単に結果をみて「ふむふむ」で終わってしまっては、非常にもったいないです。

リサーチ結果をもとに次につなげるアクションをとることは難易度が高いので外部のマーケティング支援会社と一緒になって行うことが重要です。


株式会社Brandismは、事業会社出身のメンバーが調査設計から調査結果の分析、戦略分析から実行まで一貫したサポートを行っております。

特に実行の部分につながるところが調査会社でできない部分となっておりますので、一貫して依頼した場合は当社の力を十分に発揮できます。

調査単体でも数多くやっておりますのでお問い合わせフォームからぜひご連絡ください。

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