ブランディングの効果とは?定義・進め方・効果測定指標について解説!【事例追加版】

本記事では、ブランディングの効果とは具体的に何か、その効果を出すための進め方、効果を検証する指標までを解説します。

こんな方におすすめの記事です。

  • ブランディングという言葉は知っているが、効果が具体的にイメージできず投資判断に踏み切れない経営者・経営幹部
  • 価格競争や採用難に課題を感じ、施策ではなく経営課題としてブランディングを検討し始めたマーケティング・広報担当者
  • ブランディングに着手する前に、効果と進め方の全体像を整理しておきたい事業責任者

「良い商品やサービスを提供しているのに、最後は価格で比較されてしまう」「広告を出しても、自社を目当てにした問い合わせが増えない」。こうした状況の背景には、ブランドが顧客の頭の中で想起されていないという共通の原因があります。これを放置すると、値引き対応で利益が削られ、広告費や採用コストだけがかさみ続けます。必要なのは、ブランディングの効果を経営成果として理解し、どこから手をつけるかを見極めることです。

弊社Brandismはユニリーバ・ロレアルなど外資系消費財メーカーでブランド戦略・マーケティングを担ってきたメンバーが、ブランディング/リブランディング戦略の設計から施策実行までを、飲料・消費財・金融などの幅広い業界・BtoB/BtoCを問わず伴走支援しています。ブランディングの効果を自社の経営成果につなげたい方、リブランディングを検討中の方は、お気軽にご相談ください。

目次

ブランディングとは?まず押さえる定義と考え方

ブランディングとは何かを、定義と種類の面から整理します。最初に押さえたいのは、ブランディングがロゴやデザインを作る作業ではなく、顧客の記憶の中に特定の意味を築く経営活動だという点です。

ブランディングの定義

特定の社名やサービス名を聞いたとき、「あの会社は◯◯が得意」「なんとなく信頼できる」といったイメージが頭に浮かぶことがあります。ブランドとは、こうして顧客の記憶の中に蓄積された、その企業やサービスならではの「意味」のことです。たとえば「モバイルバッテリーや小型家電ならAnker」「掃除機ならダイソン」「仕事で使うチャットツールならSlack」のように、カテゴリーと結びついた意味が思い浮かぶ状態が、ブランドが築けている状態だと言えます。

ブランドは、企業が発信するロゴや広告そのものではありません。それらを通じて顧客の記憶の中に形づくられた意味を指します。ブランディングとは、この意味を企業が意図してつくり、狙いどおりの方向へ育てていく継続的な取り組みです。

ここで見落とせないのが、ブランドの意味は顧客の記憶に少しずつ積み上がるという点です。発信するメッセージに一貫性があれば、過去の広告やキャンペーンで残った記憶に今年の発信が重なり、より強い意味として定着していきます。逆に、伝える内容がそのつど変わると記憶は積み上がらず、かけた費用はその場限りの出費で終わってしまいます。ブランディングが「投資」になるか「単なる費用」で終わるかは、この一貫性で決まります。

この一貫性の具体的な事例として、キットカットの「受験生応援キャンペーン」が挙げられます。ネスレ日本は「受験生を応援する」という一点に絞った発信を20年以上続けており、施策の形は毎年変わっても、伝える意味は変わりません。その結果、今年のCMが過去20年分の記憶に重なることで、「受験にはキットカット」「キットカット=受験生」というイメージが、消費者の頭の中に強い意味として出来上がっていきます。逆に、短期的に終わってしまう販促プラン(たとえば次々に全く異なるIPとコラボを繰り返すようなもの)では、一貫した意味が積み上がらず、毎回の発信がその場限りで消えていきます。

【参考】ネスレ日本「キットカット 受験生応援キャンペーン」公式サイト

そのため、ブランディングは販促の一手段ではなく、自社が誰にどう認識されたいかを決める経営戦略の一部に位置づけられます。広告やキャンペーンのように単発で終わるものではなく、事業の方向性と結びついた長期の活動になります。

ブランディングの種類

ブランディングは、誰に向けて行うかによって大きく3つに分けられます。

  • アウターブランディング:商品やサービスを通じて、社外の顧客や市場に向けて行うブランディング。Webサイト・SNS・広告などで認知や好意を高める
  • インナーブランディング:自社の従業員に向けて行うブランディング。企業の価値観や目指す姿を社内に浸透させ、社員の行動や判断の基準をそろえる
  • リクルートブランディング:求職者に向けて行うブランディング。働く場所としての自社の魅力を伝え、採用や入社後の定着につなげる

まずアウターブランディングは、社外の顧客や市場に向けて自社をどう認識してもらうかを設計する活動です。例えばAGCは、2018年に旭硝子からAGCへ社名変更を実施し、ブランドステートメント「Your Dreams, Our Challenge」と新ロゴを一斉に刷新しました。社外に向けてはテレビCMで新社名と「素材の会社」としての事業領域の広がりを伝え、社名という最も外側の記号を起点に、自社が何の会社として認識されたいかを市場に印象づけた事例です。

【参考】広報会議|「旭硝子」から「AGC」へ 社名変更を通じたブランド再構築(AGC 広報・IR部長 玉城和美氏インタビュー)

次に、インナーブランディングです。これは社内に向けた活動で、特に大手チェーン店など従業員を幅広く抱える企業にとって重要な戦略になります。例えばスターバックスでは、従業員を「パートナー」と呼び、細かな接客マニュアルを設けない代わりに、ミッションとバリューという価値観を共有することで、一人ひとりが目の前のお客様のために「いま自分にできること」を自律的に選べる環境をつくっています。マニュアルではなく理念を判断の拠り所にすることで、企業の価値観が言葉だけでなく、日々の接客の振る舞いとして社員に浸透し、行動や判断の基準がそろっていきます。

【参考】Starbucks Stories|「スターバックスらしさと、自分らしさ。心を動かす接客とは」(マニュアルを設けない接客文化)

最後のリクルートブランディングは、求職者という社外に向けた発信が主になります。デンソーはその切り口として「若手社員の視点」を選んでいます。同社は2022年に立ち上げたオウンドメディア「DRIVEN BASE」で、デンソーで働く一人ひとりの挑戦や想いを継続的に発信しています。「成長したい」「夢をかなえたい」「社会を良くしたい」という前向きな動機を持つ人の背中を押す場をコンセプトに掲げ、整えられた制度紹介や経営メッセージではなく、現場で働く人の個別具体のエピソードを積み上げています。働く人の魅力を等身大で伝えることで、同じ志を持つ人材の共感を集め、未来の採用につなげる構造を作っている事例です。

【参考】DRIVEN BASE(デンソー)|「DRIVEN BASEについて」(働く人の挑戦・想いを発信するメディア)

この3つは別々の活動ではなく、同じブランドの考え方を対象ごとに展開したものです。社外向けと社内向けで伝える内容が食い違うと、ブランドの印象がぶれる原因になります。

ブランディングとプロモーションの違い

ブランディングは、プロモーションと混同されやすい言葉です。2つはつながっていますが、担う役割と時間軸が異なります。

  • ブランディング:顧客の記憶の中に「自社がどう認識されたいか」という意味を築く活動。時間軸が長く、成果が生まれる土台をつくる
  • プロモーション:広告やキャンペーンなど、短期的に知らせて行動を促す活動。その場で成果を生む

この違いを見落とすと、プロモーションを繰り返しているのに成果が積み上がらない状態に陥ります。広告で一時的に問い合わせが増えても、ブランドの意味が顧客の記憶に育っていなければ、広告を止めた途端に問い合わせも止まるためです。プロモーションは成果を「その場で生む」活動、ブランディングは成果が生まれる「土台をつくる」活動だと整理すると、両者の役割を取り違えずに済みます。

ブランディングの効果とは?経営成果に表れる変化

ここからは、ブランディングがどのような経営成果につながるのかを見ていきます。代表的な効果を「第一想起」「指名検索」「広告の費用対効果」という3つの切り口で順に解説し、最後に、その効果が出る条件と時間軸を確認します。

ブランディングの効果①第一想起

ブランディングの効果は、顧客が何かを選ぶときの頭の中の動きをたどると理解しやすくなります。

人が商品やサービスを検討するとき、最初に思い浮かべる候補は数社程度に限られます。この「思い浮かぶ候補のまとまり」を想起集合と呼びます。第一想起とは、あるカテゴリーで顧客が最初に思い浮かべる存在になることを指します。

第一想起で選ばれるようになると、顧客は比較検討の途中からではなく、最初から自社を目当てにして問い合わせてくれます。価格や条件を横並びで比べられる前に、検討の入口で選ばれている状態です。

この「最初に思い浮かぶ」状態が成果を左右することは、マーケティング研究でも指摘されています。Sharp(2010)は、ブランドが成長するのは「好かれているから」ではなく、購買の瞬間に思い出されやすい(メンタル・アベイラビリティが高い)からだと論じています。ブランディングの効果を考えるうえで、第一想起はその中心に位置づけられる概念です。

【参考】Sharp, B. (2010). How Brands Grow: What Marketers Don’t Know. Oxford University Press. ResearchGate掲載ページ

検索でも、最初に見つけてもらえるかどうかで結果は大きく変わります。Advanced Web Rankingの順位別クリック率の調査によると、検索結果の1位は検索した人の約3割がクリックする一方、順位が下がるとクリックはわずか数%まで落ち込みます。第一想起されるブランドは、この「最初に選ばれる位置」を、検索結果だけでなく顧客の記憶の中でも確保している状態だと言えます。

【参考】Advanced Web Ranking|Google Organic CTR History(検索順位別のクリック率)

ブランディングの効果②指名検索

想起集合に入り、「◯◯ならこの会社」と最初に思い浮かべてもらえるようになると、顧客はカテゴリー名ではなく、会社名やサービス名で直接検索するようになります。これが指名検索です。指名検索が増えている状態は、ブランドの意味が顧客の記憶に定着していることを示す、最も分かりやすい効果のひとつです。

この「比較が始まる前に選ばれる位置」を取りにいったのがラクスルです。同社は2014年以降テレビCMを継続的に投下し、累計約50億円のマーケティング費用の約9割をテレビCMに振り向けてきました。狙いは「ネット印刷といえばラクスル」という第一想起の獲得です。後発でありながら想起集合の最初に入る位置を確保したことで、認知率は2014年比で約60%向上し、指名検索が急増、CPAは半分以下に低下、5年間で売上は約25倍まで伸びました。比較検討が始まる前に選ばれる位置を取ったからこそ、その後のあらゆる獲得施策のレバレッジが効いた典型例だと言えます。

【参考】ラクスル株式会社「テレビCM『安い!早い!ラクスル!』篇」プレスリリース

逆に言えば、認知も想起もされていない状態では、どれだけ広告や営業に費用をかけても、顧客の検討の土俵に上がれません。ブランディングの効果は、この「土俵に上がり、選ばれる位置を確保する」ところから生まれます。

ブランディングの効果③広告の費用対効果

ブランディングの効果は、売上だけでなくコスト構造にも表れます。認知や信頼が蓄積されていると、広告や営業の一回あたりの成果が上がります。名前を知らない相手に一から説明するより、すでに「聞いたことがある」相手に伝えるほうが、少ない労力で検討に進んでもらえるためです。

これを体現しているのが無印良品です。同社は衣料・食品・家具・家電から、住宅「無印良品の家」やホテル「MUJI HOTEL」まで、約7,000品目を同じ「無印良品」の看板で展開しています。これだけ多岐にわたるカテゴリーで通用するのは、「シンプル・素材を活かす・過剰でない」という一貫した価値観で築いた信頼が、新しいカテゴリーに進出するたびに引き継がれるからです。

こうした「信頼の引き継ぎ」が成り立つ条件は、研究でも示されています。Völckner and Sattler(2006)は、消費財ブランドの拡張事例を分析し、ブランド拡張の成否を最も大きく左右するのが「親ブランドと拡張先商品との適合(フィット)」であることを実証しました。無印良品のように一貫した価値観が確立されているほど、関連性の高いカテゴリーへの進出は受け入れられやすくなるということです。

【参考】Völckner, F., & Sattler, H. (2006). Drivers of brand extension success. Journal of Marketing, 70(2), 18–34. https://doi.org/10.1509/jmkg.70.2.018

顧客は初めて出会う商品でも「無印なら、たぶんこういうテイストだろう」と想像でき、ゼロから説明する必要がありません。これが、広告・営業の一回あたりの効きを大きく押し上げています。

逆に、ブランドの土台がないと、広告を出している間だけ問い合わせが増え、止めると元に戻ります。費用をかけ続けないと成果が維持できない状態です。ブランディングは、この「払い続けないと止まる」構造から抜け出すための土台になります。

この効果は、顧客向けの広告費だけでなく、採用にかかるコストにも及びます。働く場所としての自社の考え方や魅力が伝わっていれば、応募の段階から自社に共感する人が集まりやすくなります。入社後も、企業の価値観が社内に浸透していれば、社員は働く目的を見失いにくく、人材の定着につながります。離職が減れば、採用や育成にかけるコストを抑えられ、その分の費用や時間を事業の成長に回せます。

効果が出る条件と時間軸

ブランディングの効果は、どの企業でも自動的に出るわけではありません。効果が出やすいのは、次のような企業です。

  • 提供する価値に実体がある:ブランディングは認識を整える活動であり、商品やサービスの中身が伴わなければ一時的な印象で終わる
  • 訴求軸を一つに定めている:誰に何を約束するかが絞られているほど、顧客の記憶の中の意味は早く定着する
  • 社内で方針を共有している:経営者だけでなく現場の社員までブランドの考え方が共有されている

逆に、商品やサービスの実体が伴わないまま見た目だけを整えても、効果は長続きしません。

また、ブランディングは短期で結果が出る施策ではありません。広告のように出した月に数字が動くものではなく、認知が広がり、想起され、信頼が積み上がるまでには、月単位から年単位の時間がかかります。効果検証も、この時間軸を前提に設計する必要があります。

ブランディングの進め方|戦略設計から浸透までの流れ

ブランディングは、思いつきでロゴや広告を作ることではなく、順を追った設計で進めます。ここでは進め方の全体像を4つのステップで示します。実際の設計には専門的な判断が伴うため、ここでは「どういう流れで進むのか」のイメージをつかむことを目的とします。

現状分析と自社らしさの言語化

最初に行うのは、現状の把握です。自社が顧客からどう見られているか、競合と比べてどの位置にいるか、社内では何を強みだと考えているかを洗い出します。

この段階で有効なのが、顧客一人ひとりに深く話を聞くインタビューです。少人数でも、なぜ自社を選んだのか、何を価値だと感じたのかを掘り下げると、自社らしさを言葉にする手がかりが得られます。社内の思い込みではなく、顧客の実際の声を起点にすることが、後のステップのぶれを防ぎます。

ターゲットと提供価値の定義

次に、誰に向けたブランドにするか(ターゲット)と、その相手に何を約束するか(提供価値)を定めます。

ここで大切なのは、対象を欲張って広げないことです。「すべての人に」と考えると、訴求軸がぼやけ、結局は誰の頭にも残りません。ターゲットを絞り、その相手にとって意味のある価値を一つに定めることが、後のすべての施策の軸になります。どの広告や施策を選ぶかという手段の検討は、この定義が固まった後で初めて意味を持ちます。

表現と施策への落とし込み

定めたターゲットと提供価値を、目に見える形に落とし込みます。ロゴ・カラー・言葉づかい・Webサイト・営業資料・広告など、顧客が触れるすべての接点が対象です。

ここで重要なのは、接点ごとに表現がばらつかないようにすることです。Web広告・展示会・営業資料で言っていることが違うと、顧客は「結局どういう会社なのか」がわからなくなります。すべての接点で同じ提供価値が伝わるよう、表現の基準をそろえます。

社内への浸透とインナーブランディング

最後に、ブランドの考え方を社内に浸透させます。どれだけ整った方針を作っても、現場の社員が理解し、日々の判断や顧客対応に反映できなければ、ブランドは機能しません。

自社の従業員に向けて価値観や目指す姿を伝える活動を、インナーブランディングと呼びます。社員一人ひとりがブランドの考え方を理解している状態が、対外的なブランディングの効果を内側から支えます。

ブランディングの効果を検証する指標

ブランディングは効果を実感しづらい取り組みですが、適切な指標を選べば変化を数値で追えます。効果を検証する指標を、2つの領域に分けて紹介します。

認知・想起に関する指標

ブランドが顧客の頭の中でどう位置づけられているかを測る指標です。

  • 認知率:自社のブランドを知っている人の割合。アンケート調査で測定する
  • 第一想起率:あるカテゴリーで最初に思い浮かべるブランドとして挙げられた割合
  • 指名検索数:会社名・サービス名で直接検索された回数。検索データのツールで把握できる

なかでも指名検索数は、ツールで手軽に把握でき、競合との比較もしやすい指標です。ここでは、シートマスクブランドを想定した指名検索数の分析として、あるカテゴリーで自社と競合の月間検索数を並べてみます(数値はサンプルです)。

検索キーワードの種類月間検索数の目安具体例
カテゴリー名で検索90,500「シートマスク」など商品ジャンルでの検索
カテゴリー名+自社ブランド名1,200「シートマスク(自社ブランド名)」
自社ブランド名で検索(指名検索)3,600「(自社ブランド名)」
カテゴリー名+競合Aブランド名8,100「シートマスク(競合A)」
競合Aブランド名で検索(指名検索)22,200「(競合A)」
カテゴリー名+競合Bブランド名5,400「シートマスク(競合B)」
競合Bブランド名で検索(指名検索)14,800「(競合B)」

この例では、カテゴリー名そのものは月間9万回以上検索されているのに対し、自社ブランド名の指名検索は3,600回にとどまっています。競合Aの指名検索が22,200回ある点と比べると、カテゴリーの中で自社がまだ第一想起を取りきれていない、と読み取れます。指名検索数を競合と並べて見ることで、認知や想起の現在地が具体的につかめます。

これらは、ブランディングの土台がどこまで築けているかを示す、最も基本的な指標です。

顧客・売上に関する指標

ブランドが顧客との関係や売上にどう効いているかを測る指標です。

  • NPS:顧客が自社を友人や同僚にどれだけ勧めたいかを数値化した指標。顧客の推奨意向を測る
  • リピート率:既存顧客が継続して購入・利用している割合
  • 顧客生涯価値:一人の顧客が取引期間全体でもたらす利益の合計

このうちNPSは、言葉の説明だけではイメージしづらい指標です。NPSは、「この商品を友人や同僚に勧めたいか」を0〜10点で顧客に聞き、9〜10点を推奨者、7〜8点を中立者、0〜6点を批判者と分類したうえで、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出します。スコアがプラスなら推奨者が多く、マイナスなら批判者が多い状態です。

同じカテゴリーの4ブランドを調査すると、次のようなイメージになります(数値はサンプルです)。

ブランドNPS(推奨度スコア)推奨者の割合中立者の割合批判者の割合回答者数
自社+18.542.0%34.5%23.5%400人
競合A(カテゴリー最大手)+42.056.0%30.0%14.0%400人
競合B(ニッチ・高価格帯)+27.648.8%30.0%21.2%250人
競合C(低価格帯)-6.028.0%38.0%34.0%350人

この例では、カテゴリー最大手の競合Aが最も高いNPSを獲得しており、ブランド規模の大きさが推奨度につながっていることが分かります。一方で、ニッチ・高価格帯の競合Bは自社を上回るプラススコアとなっており、特定の顧客層に対して明確な価値やブランドイメージを築けていることが読み取れます。自社としては競合BのNPSを一つの目標水準として設定し、主要なKPIとして継続的に追っていくことも考えられます。またNPSは、年代別や性別に分けて集計することで、どの層に推奨者・批判者が多いかまで把握できます。

なお、これらの指標はすべてを同時に追う必要はありません。今いちばん高めたい効果に対応する指標を2〜3個に絞り、継続して観測することが、検証を続けるコツになります。

まとめ

本記事では、ブランディングの定義と種類から、プロモーションとの違い、経営成果に表れる効果、進め方、効果を検証する指標までを解説しました。重要なポイントは次の3点です。

  • ブランディングは、ロゴやデザインを作る作業ではなく、顧客の記憶の中に「自社がどう認識されたいか」という意味を築く経営活動である
  • その効果は、指名や第一想起で選ばれること、広告・営業や採用にかける費用の効率が上がることなど、売上とコストの両面で経営成果として表れる
  • 効果は短期では表れにくいため、認知率・指名検索数・NPSなどの指標を狙いに合わせて絞り、時間軸を前提に検証する

ブランディングの効果は、ロゴや広告などの個別の施策をいくら整えても、その土台となる戦略の設計があって初めて生まれます。Brandismは、自社が誰にどう認識されたいかというブランディング戦略の設計から、施策の実行・社内浸透までを一気通貫で支援しています。ユニリーバ・ロレアルなど外資系消費財メーカーでブランド戦略・マーケティングを担ってきたメンバーが、飲料・消費財・金融などの幅広い業界で、BtoB/BtoCを問わず伴走しています。

「ブランディングの効果を経営成果につなげたい」「自社にブランディングが必要なのか、どこから手をつけるべきか判断できない」「リブランディングを検討すべきタイミングか見極めたい」など、ブランディング/リブランディング戦略でお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。

監修者情報

松元 貴志

松元 貴志

株式会社Brandism EC/デジタル責任者

新卒でユニリーバ・ジャパンに入社後、ヘアケアのブランドのマーケティングを担当。人材関連会社を創業後、短期間で事業成長し全株式を売却。その後D2C関連会社を創業し、D2C事業の売却を経験。株式会社Brandismでは、EC領域やデジタルマーケティングを中心に多くの企業を支援。

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